安否確認順位を決めることは、『誰から助けに行くのか』を決めることではなく、『限られた時間と資源の中で、より多くの命を守るための備え』です。

介護事業所におけるBCP(業務継続計画)では、災害発生時に限られた人員や通信手段の中で、利用者の生命と安全を守ることが最優先事項とされています。

特に居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、多くの在宅利用者を担当しているため、災害発生直後に全ての利用者の安否確認を同時に行うことは困難です。そのため、あらかじめ利用者ごとのリスクを評価し、安否確認の優先順位を決めておくことが重要になります。

優先順位を検討する際には、「独居である」「医療依存度が高い」「人工呼吸器や酸素療法を利用している」「家族支援が得られにくい」「浸水想定区域や土砂災害警戒区域に居住している」などの要素を総合的に判断します。

また、優先順位を明確にすることで、訪問介護事業所、訪問看護事業所、福祉用具貸与事業所などの関係機関と役割分担が行いやすくなり、重複した安否確認を防ぎながら効率的な支援につなげることができます。

BCPは単なる計画書ではなく、災害発生時に実際に機能することが求められます。平常時から利用者の状況や地域の災害リスクを把握し、安否確認優先順位を定期的に見直すことが、利用者の命を守り、介護サービスを継続するための重要な取り組みとなります。

防災デザイナー 小森勝輝